(著者:Shunya Ohira)
ギニアの西部ラベ(Labé)から、北西へ走ること3時間半。
ラベを出たのが昼の12時だったので、今は午後の3時半。
ギニアの西に位置するギニアビサウに入国するため、乗り合いタクシーに詰め込まれた状態でなんとか踏ん張っている。
ぎゅうぎゅう詰めで体の血の巡りを気にし始めたころ、目の前には行く手を阻むバンタラ川(Bantala river)が現れた。
ここで全員降りるように促され、ドライバーのみとなったタクシーは川へとどんどん進んで行く。
タクシーは川の方へと消えて行った。
他の乗客もぞろぞろと歩き出したので、ついて行ってみる。
なんと、タクシーが川を渡っている。
鉄製の渡し船のようなものを使っているようだ。
みなが揃うと、渡し船はゆっくりと動き出した。
私が乗る頃にはすでに出発し始めてはいたが・・・
この渡し船、下はゴムが取り付けられ浮くようになっている。
他の基本的な部分は鉄製で、動力は完全なる手動。
両岸につながる一本の鎖が張られていて、渡し船の右側に設置されている部分と接触している。そこにあるハンドルを手で回すことで、船本体がそのワイヤーに沿って動くしくみになっている。
非常に環境にやさしい動力。
そして、こちらが実際の映像。
石油や電気といったエネルギーを必要としない、
渡し船の形がそこにはあった。
ここに、近代化の波が押し寄せたとしても、
住む人の財布や環境に付加のかからないやり方が踏襲されてほしいと勝手ながら思う。