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アフリカから連想するイメージは?もし、そんな質問を日本人にしたら、大体の人が、広大なサバンナや裸に近い格好で生活する槍を手にした人々、ゾウやサイの群れを思い浮かべるだろう。残念ながら、そのような風景を見ることができる場所はアフリカの中でも限られている。
高層ビルが建ち、コンクリート舗装された大きな通りを日本車が行き交う。そんな光景は、アフリカの中の、あらゆる首都で目にすることができる。ケニアや南アフリカなどが典型的な例だ。地域で言うと主に東アフリカに集中している。
一方、西アフリカに目をやると、状況は違っている。たしかに、首都部ではビルの建設や西洋化が進んでいると言える。例えば、ガーナの首都、アクラやコートジボワールの首都、アビジャン。しかし、西アフリカには、他国からの企業や文化が入り込んでいない、いわゆる日本の多くの人が想像するような“アフリカン”な地域がまだまだ、たくさんある。
実は、西アフリカの国々、そのほとんどがフランス語を公用語としている。東や南部では英語を公用語とする国がほとんどであることを考えると、これは西アフリカの大きな特徴である。
先ほど、言ったように、西アフリカには、まだまだ西洋化しないで独自の文化や姿を守っている地域がたくさんある。変に観光客がたくさん入って来て、文化が失われるような被害が比較的少ない状態に抑えられている。他の国から人があまり来ない理由の一つとして、言語がある。現地の民族毎の言語があるものの、多くの人が単一の言語であるフランス語を話す。英語がほとんど通じない分、自分たちの文化を海外から守ることができているのだ。
一言で言うと、旅をしづらいのが西アフリカ。それが私の感想だ。フランス語を習得する必要があるし、田舎の方に入って行くと、それすら通じなくなってくる。観光地化しすぎていて、何か物足りないという人、西アフリカに行ったら、その魅力に取りつかれる事になるだろう。
西アフリカのATMは全体的に言うと、そうとうひどい状態にある。首都レベルになると機能していることも多い。しかし、ひとたび他の町に移動しようものなら現金を用意しておくことの大切さに気づくだろう。
フリータウンはシエラレオネの首都であるが、ATMの稼働率が著しく低い。町にある全てのATMというATMを回ったと行ってもいいくらいしらみつぶしに調査した。その数は8カ所。その中でVISAもしくはMASTERカードが使えたのは1カ所のみ。他は、壊れていて動かない状態、もしくはアフリカに拠点を置く銀行のカード専用で取り扱っていた。
情報が少ないということも西アフリカの特徴の一つだ。特に日本にいて、西アフリカ関連の書籍を探してみても、なかなか少ない。例えば、NPOなどの人が自信の体験を綴ったような本がたまに見つかるとか、民族の音楽関連の本が見つかることはある。しかし、より深く知りたいなら、英語、さらには、フランス語で書かれた文献まで漁ることになるだろう。
旅する人が少ないこと、情報があまり出回っていないことが、西アフリカの文化を存続させる一つの要因となっている。
やはり、行ってみるのが一番だろう。あらゆる地域(特にアフリカの東や東南アジア、南米など)を既に旅したことがある旅慣れた人に限り、西アフリカをお勧めする。