◎2010年11月22日の実体験に基づきます。
「ハイジの家がここスイスに。笑顔溢れるステキな場所に違いない。」
胸を高鳴らせて、歩き始めた。
本によると、ハイジの家は山の頂上付近にあるらしい。
「山の上にあるなんて、なおさら、ハイジな雰囲気に違いない。」
大まかな地図を頼りに山のふもとまで辿り着いた。
頂上までの所要時間もわからず進み続ける。
現在の時刻は15時。
14時に宿を出発したので、既に1時間は歩いている。
頭の中で「山をなめちゃいけないよ。」とハイジが言っているようだ。
引き返すべきか、進むべきか。教えておじいさん。教えてアルプスの森たちよ。
これは実は夏のスキー場です、と言われたら、「ああ。やはりそうですか。」と答える。
それくらいに急勾配な道が続く。
家が見える。
まさか、あれがハイジの家。
やっと、着いた。2時間近く歩いたが、辿り着くことができた。
思っていたよりも、小振りだ。なんというか、インパクトもコンパクトである。
でもまあ、ハイジの家が巨大な別荘のようだと、逆にいやだ。
だからこれでよい。
早速、中に入ってみよう。
おや?入り口にはメモが。
geschlossenと書かれている。
「閉まってます。」という意味だ。
最後には丁寧にDanke(ありがとう)の一言が添えられている。
これだけ登って来て、ダンケで終わりなのか。
お兄さんは、どうせならもうちょっと、ねぎらいの言葉が欲しかったぞ。
そんなことがあったって、決して落ち込まない。
ここの景色が素晴らしいから。
今なら、言える。
胸を張って「ダンケ」と。