(写真の参照元:Election-Wikimedia Commons-)
アメリカとキューバは犬猿の仲として有名です。
そのアメリカ国内で行われる、大統領選挙の前にはキューバに制裁が加えられるという。
一体、なぜでしょうか?
1959年にキューバ革命が成功に終わりました。
【キューバ革命とは】簡単に言えば、アメリカの支配から解放されようというキューバの人々の革命です。カストロ、ゲバラを中心とした革命軍が、アメリカの影響によってつくられたフルヘンシオ・バティスタ大統領の政権を打倒して、新政府をつくりあげました。
カストロ率いる革命政府は、アメリカから共産主義として敵視されたことを背景に、ソ連と同盟を結びます。社会主義の国同士、仲よくやりましょう、ということです。
キューバ国内には、お金持ちも、あまりお金を持ってない人もいます。
そんな中で革命が起きました。そして、社会主義になったのです。
お金を持っている人からしたら、どう思うでしょうか?
何を心配しますか?
お金の没収です。
お金持ちは没収を恐れた、というところまで話しましたね。
彼らはアメリカに亡命します。
資本主義の国、アメリカです。
その時亡命した人の数は20万人以上と言われています。
彼らのほとんどは、マイアミに亡命しました。
マイアミにリトル・ハバナがあるのはこのためです。
さあ、マイアミを中心として、アメリカに移住した人々の生活はどうでしょうか?
彼らは成功するのです。
キューバで築いた資産を持ち出し、アメリカで利権を獲得し、成長していきます。
そして、現在のマイアミはどうでしょう?
医者、弁護士、実業家という力をつけたキューバ人が多く住んでいます。
それでは、選挙が行われるときについて考えてみましょう。
アメリカの選挙は州毎に行われます。
どの州で勝てるかが大きなカギを握っているわけです。
マイアミがあるのは、何州でしょうか?
フロリダです。
このフロリダで票を獲得するためには、主要な都市であるマイアミからの支持が、なんとしても欲しいのです。
そのマイアミで力を持っている人々とは誰でしょう?
そう、キューバ革命時にキューバから亡命してきた人たちです。
そして、彼らのご機嫌を取るようなことをしようと考えます。
彼らが憎んでいるところはどこでしょう?
憎んでいるとはいかないまでも、いい感情を抱いていない場所とは?
革命政府が取り仕切るキューバですね。
そこで、キューバに制裁を加えようとなるわけです。
出典は『小さな国の大きな奇跡』です。
◎『小さな国の大きな奇跡』吉田沙百里