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Dzerzinsk, Russia
NPO団体Blacksmith Instituteの2007年9月12日付けレポートによると、世界で最も汚染されている町のひとつ。1941年から化学兵器の開発が行われた。1965年には終了したが、高濃度のヒ素を含んだ廃棄物質のほとんどが、そこにゴミの山として残された。男性の平均寿命は42才で女性は47才しかない。GreenPeaceによると、この原因はダイオキシンなどの残留性有機汚染物質 (Persistent Organic Pollutants, POPs =自然に分解されにくく生物濃縮によって人体や生態系に害を及ぼす有機物のこと)だとされている。
Kabwe, Zambia
(写真の参照元:Top 10 Most Polluted Places 2007)
カブウェはザンビアの首都から北に150キロメートルのところに位置している。カッパーベルト(ザンビアからコンゴ民主共和国へと伸びる大規模な銅山地帯)に近接する6つの町のうちの1つ。1902年に相当量の鉛の埋蔵が確認される。採掘と精錬が直ちに始められ、鉛による汚染の危険性を扱うことなく1994年まで操業された。土壌は鉛の粉塵で、水は金属によって汚染された。土壌中の鉛、カドミウム、銅、亜鉛の拡散は半径20キロにも及んだ。
Haina, Dominican Republic
(写真の参照元:Inspired by Design)
ハイナはドミニカ共和国サンクリストバル地方の町である。ドミニカ共和国のチェルノブイリとしてみなされてきた。国連によると、ここに住む人々全体が世界でも最も高いレベルの鉛による汚染を受け、鉛中毒を煩っている。この原因は車バッテリーのリサイクル会社Baterías Meteoroの溶鉱炉が近くのParaíso de Diosという場所で過去十年間操業して、土壌に投棄したリゼルギン酸ジエチルアミドや鉛だと考えられている。この会社は他の場所に移転したが、未だに汚染は残っている。またMiami Heraldは07年03月13日の記事で、ここに住む多くの子供が目の病気や発作、学習障害などを抱えていることを明らかにしている。
Sukinda, India
(写真の参照元:25 Most Polluted Places)
スキンダはインドのオリッサ州ジャイプル地区にある町で、オリッサ州は国にあるクロム鋼鉄の98%を有している。そのうち、97%はスキンダ渓谷から採掘される。世界でも有数の巨大な12の露天掘り(坑道を掘らずに、地表から渦を巻くように掘り下げる方法)鉱山が環境に対する配慮無しに営業を続け、3000万トンの使用済みの岩が辺りやブラマニ川沿いに放置されている。鉱山からの排水はそのまま川に流され、地表水の70%、飲み水として使われている水の60%は国や国際基準の定める2倍の量の六価クロムを含んでいる。インドの新聞The Hinduの08年10月17付け記事によると、インド政府によって選ばれた科学者複数人によって行われた水質実験の結果が、鉱山からの水に含まれる六価クロムの量はインドで見られる平均値の数倍を示した。
Baku, Azerbaijan
(写真の参照元:The 25 Most Polluted Places On The Earth)
バクーはアゼルバイジャンの首都であり最も巨大な町。カスピ海、コーカサス地域を含めても最大と言える繁栄を誇っている。それを支えるのは豊富な原油である。1900年の時点で3000の油井を持つようになり、そのうちの2000は産業として成立する規模で原油を産出しており、第二次世界大戦の前には、世界でも有数の原油生産の中心地となっている。しかし、環境への影響も同時に懸念されている。バクーと隣り合わせに位置するカスピ海は①バクーから流れ込む川が運んでくる汚染物質、②カスピ海沖につくられた原油開発のための施設、③カスピ海で交易を行うタンカーの増加、によって汚染されている。Oil Spill Solutionsによると、SOCAR社の生産する20%の油は地表や土壌内に漏れ出している。PRESS TVはイランがアゼルバイジャンに対してカスピ海の汚染の責任を追求し訴える可能性を見せていることを報じた。また、バクーでは都市化に伴う人口の流入から起こる大気汚染も深刻な問題となっている。