【不公平な世の中だと嘆くあなたに】「ナイジェリアで養子になればいいじゃん」

“「ナイジェリアの子」と「アメリカの遺産相続」から「平等」を考えたくなりました・・・”

遺産相続から平等を考える

<かわいい子には土地をあげないでね>

もし、あなたが億万長者だとします。・・・大丈夫です、もしもの話ですから。

死ぬ直前にかわいい子に何かを残してあげたいと思いますよね?

土地なんかいいプレゼントになりそうです。

 

しかし、アメリカでは少し状況が違う、と言っている人がいました。

フランスの誇る、歴史家であり政治家トクヴィルという人物によると、アメリカの平等を実現している一つの要因が、この土地の相続に関係しているとのことです。

 

アメリカは元々、イギリスの植民地です。法律はイギリスのものが基本となっていますが、彼らはイギリスの影響を強く受けた相続法を厳しく変更し、遺産が子供に相続されにくいようにしました。

<我が子よ、ファイトー>

では、なぜ相続を厳しく規制したのでしょうか?

ズバリ、子供に努力を教えるためです。・・・とトクヴィルは結論付けています。

 

祖父や親の代から土地を相続して子や孫へ受け継ぐ。これを繰り返していくと、一族は安定した生活を送ることができます。しかし、そればかりでは、豊かなものはより豊かに、そうでないものは、そこから抜け出せなくなるのではないか、という懸念が生まれてきます。そして、相続に関する法律が規制されました。

 

アメリカは自由の国で、誰もが等しく成功する機会を得ることができるという共通意識を結束に利用している国です。そもそも個別の州が集まって出来た国ですから、そのような結束が無ければバラバラの州になってしまいます。

<平等って何でしょうね?>

トクヴィルの言う平等の一つのかたちである厳しい相続規制が、本当に平等を体現するものであるなら、こんなことが言えるかもしれません。

 

私の友人にナイジェリア人のJさんという方がいます。父親が亡くなり、彼は遺産を相続するためにかなり奮闘していました。その頃、私と彼はガーナに滞在しており、毎日のように悩む彼の姿は今でも、私の目に焼き付いています。結局、彼は政府から許可を得られず、遺産相続をすることができませんでした。

 

それは考え方によっては、平等への道なのかもしれません。皆が、0からスタートする仕組みづくりに役立つかもしれませんから。

 

しかし、ここで大事なのは平等が必ずしも人の幸せに繋がらないということです。独裁政権のトップが全ての民衆に対し、毎日パンと水を決まった量だけ与える。これも平等がかなり実現された社会です。

 

平等という言葉を深く考えてみるのも楽しいかもしれません

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参考

◎『アメリカの行動原理』橋爪大三郎

◎アレクシ・ド・トクヴィル-Wikipedia-