【支払いの遅延】警察の態度から、“働くというシステム”を考える(ギニア)

紳士的な警察

<厄介な警察>

もし、あなたがギニアという国に行く事になったら、何をしますか?まず、ギニアってどんな国なのだろう、という疑問が湧いてくると思います。私は、ギニアを旅した方のブログを読むことにしました。何件か出て来たブログを読むと、そのほぼ全てで、ギニアの警察には気をつけるべきだ、という内容が書かれています。バスに乗っていると、そこから下ろされ、何かとケチを付けてきます。そして、お金を払わないと解放してもらえません。警察とは、本来私たちを守ってくれる人たちのはずですが、なぜこのようなことが起きてしまっているのでしょう?調べてみると、その背景が分かってきました。

<低賃金な警察>

その内容は、こうです。その頃のギニアは独裁国家で、国の頂点に立つセク・トゥーレという人物は自分勝手な行動に走りました。警察は十分な賃金を貰うことができません。十分どころか、支払いそのものが先延ばしにされる状況が続きます。にも関わらず、家族や親戚がその警察官に、たかります。警察という職業は高給取りであるという誤った認識が、社会にはあります。その期待に応えようとした結果、警察としての権力を行使して、住民からお金を巻き上げているのです。もちろん、ギニアの中でも、全ての警察がこのような行いをするわけではありませんが、ほとんどと言っていい程の警察が、住民から日常的に金品を奪っていたのです。

<かわいそうな警察>

さて、ここまで話を進めると、少しだけ同情的な気持ちにもなってきませんか?たしかに、彼ら警察官は人道的に許されない行いをしています。とは言っても、彼らがそれをするだけの原因があるということです。・・・それでも、「そんなやつらは許さない」と考える方。あなたの気持ちはよくわかります。しかし、それを引き起こす背景まで含めて考えると、素晴らしい解決策が見えて来るかもしれません。実際、私はその後ギニアを訪れました。2012年のことです。その時、驚くべき変化が起きていました。警察がフレンドリーだったのです。1ヶ月近く滞在しましたが、一度もお金を請求されることはありませんでした。・・・いや、一度はありました。しかし、大したことはありませんでした。この変化の原因は政権交代です。新しい希望を持った政府によって、ちゃんと給料が支払われたのです。私の会った警察官は皆、紳士的で堂々としていました。彼らは環境で変わるということです。彼らの誠実さを引き出す土壌が大事なのです。働いた分の給料がちゃんと貰えるのは、実はとっても有り難いことなんですね。

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