【同じ目線】駅のホームで爆睡することが、第一歩（コートジボワール）

駅のホームで寝た事、ありますか？日本は平和な国なので、金曜日の夜になると、ホームでぐっすり眠っているサラリーマンの方々を目にします。しかし、私自身、日本国内の駅で寝たことはまだありません。他国の駅のホームで寝たことは、人生の中でいくつかありますが、そのうちの一つが、アフリカのコートジボワールでの出来事です。

ブルキナファソという国があります。その国の首都ワガドゥーグーからコートジボワールの首都アビジャンまでは、長距離の鉄道が伸びています。その電車に乗って旅をすること３０時間。どうやら線路の具合が悪いらしく、電車が停車しました。「線路を修理するので、待つしかない」と知らされ、乗客は電車から降りていきます。

なんとなく外に出て、ふと辺りを見回すと、駅のホームの３分の１は横になった人々で埋まっています。そして、私も、適当な場所を探して横になります。一日以上を起きたまま過ごしていたので、あっという間に、眠りに落ちました。目を覚ましたのは、次の日の朝のことです。８時間を越える快適な睡眠でした。

日本で生活している時、兼ねてから、駅のホームや橋の下で暮らす人がどのような気持ちで生活しているか気になっていました。一度、地面に寝て、そこから上を見上げることで、その人の気持ちになるべきだという気持ちは心の片隅にあったのです。そして、今回、意図せず、地べたで眠るという経験をした訳です。一回や二回、地面で寝ただけで、彼らの生活が分かったなどと言うつもりはありません。しかし、自分自身が、彼らと同じ目線で同じ生活リズムを経験するための一歩は進めたのかなと感じています。