(著者:Shunya Ohira)
アフガニスタンと言えば、2001年9月11日に発生した、
同時多発テロをきっかけとしたアフガニスタン紛争が強烈な印象を放っている。
しかし、今日のメディアにおいては、当時程の注目が集められていない。
もう一度、アフガニスタンを気にかけてみよう。
そこで、採用したいのが・・・
「世界一◯◯な国、アフガニスタン」という視点!
紛争の爪痕は、まだアフガニスタンに大きく残っているのかもしれない。
世界がアフガニスタンに向ける目も、厳しいものかもしれない。
しかし、単に負の側面を見るだけではなく、
地域住民の生活を気づかえる思考を養いたいものだ。
アフガニスタンで生産されるアヘン(麻薬の一種で、ケシの実からつくられる)の量は、世界アヘン市場の95%にも及ぶ。国内で、それに従事するアヘン生産者の数は、290万人。(2008年)
法律を無視した生産は、容認されるべきではないが、アヘンの生産を生活の糧としている人々がいる事も忘れてはならない事実であり、扱うのが難しい問題となっている。
また、2011年10月には、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が、「アフガニスタンのアヘン畑を一掃することにアメリカが消極的であることに驚きを禁じえない」と述べ、アフガニスタンでのアメリカのアヘン問題への態度を批判している。この事は、アヘンの流通や、それの最大の生産国アフガニスタンに対する世界の関心の大きさを示していると言える。
アフガニスタンでは、年間3500トンものハシシュ(麻の枝先の葉と若葉を乾燥させたもの:大麻)が生産されている。(2010年)
栽培が集中しているのは、情勢が不安定な南部の地域で、この地域を支配している勢力によって税を課され、反体制勢力の資金源となっていると、UNODCのコスタ事務局長は述べている。(参考:アフガニスタンで大麻樹脂の生産が急増|国連薬物犯罪事務所の報告から)
もし、私が、同地域のハシシュ(大麻)生産農家に生まれ育っていたら、それの生産を行うことが、生きるためには必要な方法に思えていただろう。世界に氾濫する大麻を掌握するためには、このような地域の人々の生活に寄り添った形での取り組みが必要となる。
アフガニスタンにおける年間ヘロイン生産は、380トンで、これは世界全体の90%を占めている。(2012年)
※冒頭で紹介したアヘンは、ケシという植物からつくられる。そのアヘンを精製して取り出されたモルヒネによって、出来上がるのがヘロイン。共に麻薬の一種である。アヘンもヘロインも、元は同じケシなので、この両方の生産が、アフガニスタンで行われていることは、不思議なことではない。
依存性の極めて強い麻薬であり、現存するあらゆる薬物の中で「快」の面でも「悪」の面でも最も高峰に位置するものとして、「薬物の王者」(The king of drug) の代名詞を持つ。(参考:Wikipedia)
アフガニスタン国内で、ヘロインの中毒に陥る人がいるのも事実であり、それに手を出したくなる生活環境があるのも事実である。
トランスペアレンシー・インターナショナル(世界各国の汚職に対して取り組む国際的な非政府組織)によると、アフガニスタンは、ソマリア、北朝鮮と共に、世界一汚職の蔓延した国とされている。(2012年)
興味深い事に、当のアフガニスタン政府は米国に、汚職の蔓延に関する重大な責任を見ている。現に、アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領は、米国のテレビ局ABCのインタビューの中で、こう述べている。「最も重大な汚職は、アフガニスタン政府でなく、米国を第一列目とする国際社会による取引に関係したものである。」(参考:the voice of russia)
アフガニスタンにおける、一人当たりの年間消費電力量は、わずか、7.6kWh。一日あたり、0.02kwh。(2012年)
これを日本で考えると、ドライヤーのターボを二分間だけ使った時の電力とほぼ等しい。
一日を、それだけの消費電力で過ごす事は、日本にいる私たちには到底、考えられない事態である。
アフガニスタンでは、1000人の出生児に対して、119.41人という極めて高い乳児死亡率が記録されている。(2013年)
子どもたちの主な死亡原因は治療や予防が可能な病気なのだが、医療施設の不足、もしくは、治療のために払えるお金がないため、守ることのできる命が失われているという現状。(参考:save the children japan)
外務省主導の、アフガニスタン・イスラム共和国に対する国際連合児童基金(ユニセフ)を通じた無償資金協力「小児感染症予防計画」なども存在するが、そのような援助が不必要になる日が望まれる。
※これに関しては、経済でも同じことが言える。アフガニスタンにおける、過去10年間の平均経済成長率は9.1%を記録している。というのも、2001年のタリバン崩壊以降、国の復興と開発のために国際社会から莫大な資金援助を受けたためであり、アフガニスタンの自立とは、ほど遠い。(参考:world wave)
アフガニスタンの医療現場が気になる方へ
source: List of top international rankings by country