ナトロン湖はアフリカ東部の国、タンザニアに位置している。このナトロン湖を形容する言葉があるとすれば、“世界で最も住みづらい湖”だろうか。
湖の水温は、最高で60℃まで達する。さらに、この水のPh(酸性、アルカリ性を示す度合い)は9〜10.5である。この数値は、ナトロン湖の水が、かなり強いアルカリ性であることを示している。
ナトロン湖は、その大部分が炭酸ナトリウムで、さらに少しの重層を加えて出来たものだと言える。
※炭酸ナトリウム:水に溶けると強アルカリ性になるので皮膚,粘膜を刺激する。経口摂取すると、のど、胃等を刺激する。(参考:高杉製薬)
※重層:重層水が目に入ると強い刺激があるだけでなく結膜炎などの原因にもなる。
(参考:重層を使うときの注意事項)
一帯の不毛な土地は、大地溝帯からの火山灰でつくられており、不気味な景観が広がる。
写真に映っている動物たちは、まるで、生きているような状態だが、実は死んでいる。これらのハト、ワシやコウモリは、石灰化してしまっているのだ。
この石灰化は、“体液中のカルシウムイオンが炭酸カルシウムなどの形で細胞間に沈着する”ことで起こっていると考えられる。つまり、何らかの原因でナトロン湖に落ちた動物が、湖の濃厚な炭酸カルシウムによって、石灰化してしまったということ。
実際に、なぜ湖に落ちてしまったか、その理由ははっきりしていないが、水温の高さ、塩分濃度の高さ、水面が鏡のような役割を果たすこと(湖面との距離感が掴めず衝突してしまった可能性)が、考えられている。
source: Strange Sounds