著者:Shunya Ohira(Google+)
ローマと言えば、言わずと知れたイタリアの首都にして、観光の主要都市。
ローマの町を歩くと、至る所に歴史を感じることができる。コロッセオや、トレビの泉、真実の口は日本人にとっては御馴染みの観光スポット。それ以外にも、ちょっとした通りや建物までも観光の対象となってしまうローマの底力は恐ろしい。
日本人には意外と知られていないが、中世の教会なども多く存在しているので、それらを周りながら比較するのも楽しい。
ローマ教皇庁によって統治されるカトリック教会の「総本山」であり、世界最小の国とも言われているバチカン市国も、ここローマの中に位置している。バチカンにあるサン・ピエトロ大聖堂に足を踏み入れた瞬間、そこに流れる神聖な空気には、誰もが圧倒されるだろう。併設された、バチカン美術館には、歴代ローマ教皇の収集品が展示されている。
古代ローマ時代、花の女神フローラの町としてフロレンティア (Florentia) と名付けた事が語源とされているフィレンツェ。“花の都”という呼称の通り、平和な雰囲気の流れる町中では、色鮮やかな花々を見ることができる。
ルネサンス絵画を多く収蔵したウフィツィ美術館では、かの有名な『ヴィーナスの誕生』を鑑賞することができる。
フィレンツェと言えば、町全体がひとつの絵画のような景色をつくり出すことで有名。市内を流れるアルノ川にかかるヴェッキオ橋は、フィレンツェ最古の橋であり、この町の歴史を現在に伝えている。サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の半球形をした屋根(クーポラ)の美しさは必見。
高台にあるミケランジェロ広場から、夕日に染まるフィレンツェの町を見下ろせば、この場所の虜にならない人はいないだろう。
南イタリア最大の都市、活気に満ちあふれたナポリ。温暖な気候と明るい人々が世界中からの観光客を迎えてくれる。近年、ナポリの町では、建造物の再建が行われたが、それでも歴史ある風景は残され、より魅力的になった過去と現在の融合を目にすることができる。
世界三大美港の一つと称される、海と太陽が織りなす風景をぜひとも体で感じたい。
79年のヴェスヴィオ火山噴火によって地中に埋もれたことで知られている古代都市ポンペイの遺跡や、日光が差し込むことで青に輝く洞窟で有名なカプリ島も、ナポリの近郊に位置している。
イタリアの北東部に位置する、“水の都”ヴェネツィア。その名が示すように、ヴェネツィアは水の上に浮かぶ都市。正確には、ヴェネツィア湾に形成されている潟の上に大量の杭が打ち込まれ、それを土台として町がつくられている。
市内の交通機関と言えば、水上バスやゴンドラ(手漕ぎボート)。自動車や自転車の走行は禁止されており、ヴェネツィアの町を編み目のように巡る運河が道路代わりになっている。市内では、150をこえる運河が177の島々を分断し、運河には400におよぶ橋がかかる。
ヴェネツィアの町を歩いてみると分かるが、一つ一つの道は細く、迷路のように入り組んでおり、冒険心をくすぐる。
ヴェネツィアの中心と言えば、サン・マルコ広場。野外でも食事を楽しめるつくりのレストランでは極上の生演奏が行われ、広場を見下ろすようにサン・マルコ大聖堂が鎮座する。
北部イタリア最大の都市ミラノは、ローマに次ぐ規模を誇る。この町で楽しみたいのが、ショッピングやギャラリー巡り、そして質の高いレストランでの食事。
ミラノ・コレクションなどで知られるように古くから服飾産業などファッション関連の産業が盛んな土地柄で、それらの作品を販売するショップが立ち並ぶ通りや、ショッピングセンターに事欠かない。大人の華やかさで満ちたこの町で、オシャレにショッピングを楽しみたい。中でも有名なのが、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア(通称、ガッレリア)と言う名前のアーケード型ショッピングモール。ここにある、牛が描かれたモザイクを踏むことで、幸せになれるという言い伝えも存在している。
町の象徴とも言える、ミラノ大聖堂の迫力は圧巻。ドゥオーモの体積はフランスのボーヴェ大聖堂に次いで世界で2番目で、広さもバチカンのサン・ピエトロ大聖堂に次いで2番目である。外観には、135本の尖塔があり尖塔の天辺には一つ一つに聖人が立っており、屋上に上がり間近で見た時の繊細さと、遠くから眺めたときの壮大さ、両方を感じて欲しい。
意外と知られていない事だが、レオナルド・ダヴィンチ作『最後の晩餐』のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は、ここミラノに位置している。(※『最後の晩餐』は併設されているドメニコ会修道院内部の壁に描かれている)
ヴェローナは、イタリア北部にある都市で、『ロミオとジュリエット』の舞台として知られ、世界中から数多くの観光客を呼んでいる。映画や舞台でおなじみのバルコニーは“ジュリエッタの家”と呼ばれ、観光名所になっている。内部には、当時の家具や日用品が展示され、前庭にはジュリエッタの像もある。
町の中央には、古代ローマ時代の円形競技場跡であるアレーナ・ディ・ヴェローナが存在し、街の象徴となっている。この競技場では、毎年7月〜9月にオペラのフェスティバルが開催され、それを目当てに訪れる人も多い。
フィレンツェの西に位置するピサと言えば、有名なのがピサの斜塔。この塔を支える形で写真を撮る人々が、この地の変わらぬ人気を物語っている。この斜塔があるのは、ミラコリ広場で、ここにはあらゆる歴史的建造物が集結している。
ピサの大聖堂、ピサ洗礼堂、墓所として使用されたカンポサント。ピサの斜塔の頂上から、これらの建造物が織りなす景色を見ずしてピサを語ることはできない。
ピサの中央駅から、ミラコリ広場までは、徒歩で向かうことができる。その道を歩みながら地元の人々の暮らしを感じるのは趣がある。さらに、広場に近づき、ピサの斜塔が姿を表した時の感動は、ぜひとも味わって欲しい。