著者:Shunya Ohira(Google+)
ロシアというと、観光地として考えている人は少ないはず。
ヨーロッパへ向かう経由地として通過する日本人は多いのに・・・。
しかし、改めて見てみると、非常に魅力的な海外旅行の目的地、
社会主義の色合いと、広大な自然、美しい芸術が調和する不思議なロシア。
ロシアを観光するなら、必ず訪れたい7つの観光ポイントをどうぞ!
血の上の救世主教会は、サンクトペテルブルグにあるロシア正教会の聖堂。ロシア語では、スパース・ナ・クラヴィー(Храм Спаса на Крови)。血の上の救世主教会という名前で親しまれているが、正式名称は、ハリストス復活大聖堂。
この教会で目につくものと言えば、先端部分にあるタマネギのような尖塔。この形はロシア正教の教会に見られる特徴だが、血の上の救世主教会のものは、特に色鮮やかで印象に残る美しさを誇る。
バイカル湖は、ロシア南東部のシベリア連邦管区のブリヤート共和国とイルクーツク州・チタ州に挟まれた三日月型の湖。
際立った優雅さと存在感から「シベリアの真珠」、そこに住む生き物の種類が豊富なことから「生物進化の博物館」とも称され、バイカル湖に生息する動植物の種類は、1,700以上にもなる。そのうち、3分の2の種は、バイカル湖でしか見る事が出来ない固有種となっている。
バイカル湖の面積は31,494 km²で琵琶湖のおよそ46倍。最大水深は1,741m、平均水深は744.4mと世界で最も深い。
1996年には、世界遺産に登録されている。
この湖の周囲は、山に囲まれており、北部の森とタイガ(ロシア語でシベリア地方の針葉樹林の意味)は国立公園として保護されている。
クレムリン(ロシア語でクレムリ=城塞)とは、ロシアの首都、モスクワ市の中心を流れるモスクワ川沿いにある旧ロシア帝国の宮殿のことで、上空から見ると三角形に近いかたちをしている。城壁の総延長は2.25km、20の城門を備え、内部には様々な時代の様式による宮殿や大聖堂が林立し、武器庫(戦利品などが展示される美術館)も設置されている。
現在では、大統領府や大統領官邸が置かれ、クレムリンは依然として国の中心的性格を持っている。
クレムリンの内部を歩いてみると、厳重な警備を感じることができる。観光客が歩く事ができる道はきっちりと決められており、そこから少しはみ出すと、警備をしている衛兵の笛によって厳しく注意される。
衛兵が持ち場を交代する様子は、観光のポイントとして注目を浴びている。
クレムリンの前に広がるのが、赤の広場。だが、実際に赤い色をしているわけではない。ロシア語で「美しい」という意味を持つ「クラースヌイ」という単語は、「赤い」という意味も持っている。このことから、本来は「美しい広場」であったが、これが「赤の広場」に変化していった。
赤の広場には、ロシア革命で主導的な役割を果たしたことで御馴染みのレーニンの霊廟(れいびょう)、レーニン廟が置かれ、彼の社会主義への貢献が称えられている。
モスクワの地下鉄は正式名称をモスクワ地下鉄公社と言い、世界の地下鉄の年間輸送人員においては、世界一の東京の地下鉄に続いて利用客の多い地下鉄となっている。12の路線がモスクワ市内を網羅し、乗り換えの複雑さは、東京のものに引けを取らない。
モスクワの地下鉄には、対照的な二つの印象が混在している。
一つ目が、地上から地下へと伸びるエスカレーターや乗り換え時の通路。エスカレーターは無機質な空間をつくり出す。エスカレーターが流れる速度がかなり速いので、利用する際には注意が必要。乗り換え時の通路は暗く、重たい雰囲気すら感じさせる。
一方、異なる印象を与えてくれるのが、地下鉄駅構内に施された装飾。豪華なシャンデリアや、社会主義を彷彿させるタイルアートが何とも言えない彩りを加えている。触れることで幸せが訪れると言われる銅像も存在するので、ぜひ探してみてほしい。
1764年に建てられたエルミタージュ美術館は、サンクトペテルブルクにあるロシアの国立美術館で、1990年に世界遺産として登録されている。
エルミタージュ美術館は、世界で最も古い美術館のひとつでありながら、そこに所蔵されている素晴らしいコレクションの数々でも有名。エジプト美術、ギリシャ彫刻、現代アートまで、幅広い作品を圧倒的な数で展示している。
ここを訪れたら注目して欲しいのが、展示品だけではなく、美術館の内装の美しさ。天井や回廊、その全てが、作品の質をより高いものにする額縁のよう。
キジ島は、ロシア北西部にあるカレリア共和国のオネガ湖に浮かぶ、長さ約7キロメートル、幅500メートルの細長い島で、世界遺産に登録されている。「キジ」という名前は、この地域の先住民であったカレリア人及びヴェプス人の言葉で「祭祀の場」を意味する。彼らの宗教は自然崇拝であり、そのための祭祀の場として使われていた歴史を持っている。
ここではロシア正教会独特の美しい木造教会を目にすることができる。ここにある木造教会は、釘を一切使用せずにつくられていることから、建築物としての価値も認められている。
プレオブラジェンスカヤ教会には、22の玉ねぎ型ドームがあり、最上部のドームの高さは37mにもなる。
シベリアは、ロシア内のおよそウラル山脈以東の北部地域を指す。使われる文脈によって、シベリアが指す範囲は、少しづつ異なる。
このシベリアを特徴づけるのが、一面の銀世界。早いところでは、8月の下旬で、降雪が観測されている。オイミャコンは世界で「最も寒い定住地」と言われ、同地では、-73度という人間が居住可能な場所における最低気温を記録している。
一方、夏には、30度以上まで気温が上昇することがある。特に、シベリア東部の内陸盆地では夏季はきびしい暑さとなることがあり、新緑の映えるシベリアに出会うこともできる。
シベリアの大陸を覆うのは、タイガと呼ばれる針葉樹林で、これが大半を占めている。北に向かうと、ツンドラ地帯となり、植物が自生することができない地域になる。地下には厚い永久凍土層が広範囲にわたって存在する。
モスクワからウラジオストクまで伸びる、全長9,297kmに渡る世界一長い鉄道、シベリア鉄道を利用しながら、この地の自然や文化の移り変わりを楽しみたい。
鉱物資源は非常に豊富で、資源の宝庫とされるが、それが原因で、行き過ぎた開発が行われ、シベリアの自然破壊が深刻な問題になっている。